研究概要 |
本研究は白血病における難治性の主因である薬剤耐性について、感受性及び耐性機序における遺伝子変化を把え,その遺伝子のスクリーニング検査から,治療決定の指標たるマーカーによる診断法を開発することにある。そのため初年度(平成9年)に抗癌剤であるAraCの感受性及び耐性細胞よりPCR-differential display法より同定した未知遺伝子の単離を行なった。単離した3種の遺伝子クローンについて全長のcDNAを得るため,さらに解析を行った。その結果,2種はAraCの感受性因子であり,もう1種は内因性のレトロウイルスであることが判明した。これらの遺伝子がAraC感受性及び耐性獲得機序にどのように関与するかについて現在解析中である。一方,既知の耐性遺伝子であるMDR-1,MRP遺伝子について、定量的PCRシステムを確立し,白血病培養細胞株においての条件設定を行なった。次年度は白血病患者にける感受性及び耐性遺伝子の関連性について追究する予定である。本システムを確立するのに本年度は研究実績を上げ,次年度で研究総括を行なう。
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