研究概要 |
本研究は、生体が本来備えている動物血清クレチンのヒトでの動態及びその性質を把握し、生体でのレクチンのトータルな役割を探ろうとするもので、糖鎖を表面にもつ微生物感染における宿主の新しい生体防御のメカニズムを検討するものである。 1)私達がウシで精製し、クローニングしたコレクチンcDNAやその他のcDNAをプローブとして、動物やヒトの種々のコレクチンの遺伝子をクローニングした(Kawai et al,Gene,1997.,Kawai et al,Glycobiology,in press)。また、これらの得られたcDNAを用いて、大腸菌によるリコンビナントコレクチンの作成を行い、コレクチンの諸性質を比較検討した(Eda et al,Biochem.J,1997.,Eda et al,Biosci.Biotech.Bioch.,in press.,Suzuki et al,Biochem.Biophys.Res.Commun.,1997)。さらに本リコンブナントレクチンを用いてウサギに免疫し、抗体作製を行い、それらを用いてコレクチンのアッセイシステム(ELISA法)を確立した。 2)本レクチンは遺伝子のミューテーションによる欠損症の報告があり、本邦における欠損症の存在を検討するため、さらに正常人のコレクチンの正常値を設定する目的で、大阪府下衛生研究所の協力を得て、いろんな年齢における血液を得、血清と白血球を分離した。さらに、府下の病院でインフォームドコンセントに基づき、ストレス時、出産時、ウイルス感染時における種々の病態の患者の血清のサンプリングを行った。
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