研究課題/領域番号 |
09672360
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
上平 憲 長崎大学, 医学部, 教授 (80108290)
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研究分担者 |
前田 隆浩 長崎大学, 医学部, 助手 (40284674)
山田 恭暉 長崎大学, 医学部, 助教授 (60145232)
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キーワード | Fas / Apoptosis / isofarm / ATL / HTLV-I / AIDS |
研究概要 |
Fasを介する腫瘍の発生・進展に関与する機序は、Fasのdown-regulationかFas蛋白異常に基づく機能失調による機構が考えられる。そこで、今年度は38例をリンパ系腫瘍の膜型Fas(mFas)の定量とその機能評価(apoptosis誘導能)を行い(Brit J Haematol.99:858-865,1997)、その結果大多数の腫瘍細胞のmFasは、少なくともin vitroではapoptosisを誘導出来る機能を温存していることが明らかになった。ただし、mFas陽性にも関わらずFasを介する細胞死が誘導出来ない貴重な1例を見いだした。本例について、分子生物学的解析を行い、Fas遺伝子のexon 9 death domianに20bpのdeletionが見つかり、結果としてstop codon→aberrant Fasが産生されていることが明らかになった。さらに、このmutant FasをJurkat cellにtransfectして蛋白を発現させたところ、Jurkat cellのwild Fasと腫瘍細胞由来のmutant Fasが発現し、その結果、mutant Fasのdominant negative作用が確認された。この様に、腫瘍細胞由来のmutant Fasについて、sequenceからin vivoの機能まで確認された成績は本例が文献上、世界初である(Journal of Experimental Medicine、in press)。
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