研究課題/領域番号 |
09672360
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
上平 憲 長崎大学, 医学部, 教授 (80108290)
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研究分担者 |
前田 隆浩 長崎大学, 医学部, 助手 (40284674)
山田 恭暉 長崎大学, 医学部, 助教授 (60145232)
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キーワード | Fas / Apoptosis / isoform / ATL / HTLV-1 / AIDS |
研究概要 |
Fasを介する腫瘍の発生、進展に関する機序は、1)membrane(m)Fasのdown-regulation、2)inhibitoryないしantagonistic functionとして作用するsoluble(s)Fasのup-regulation、3)mutated mFasのdominant negative作用の三つが考えられる。初年度1)・昨年度3)についてその成果を報告したが、今回2)についての機序をATLを研究素材としてBr J Haematol 107:851-960,1999に報告した。 即ち、ATL細胞のmFasは通常up-regulateされ、しかもin vitroにおいてアポトーシス高感受性である。しかし、実際のin vivoのATLは細胞死から生きながらえ、その結果tumor burdenを増し、患者(宿主)の予後を悪くしている。この機序の一端は、up-regulated mFasの産生をさらに凌駕するsFasが産生され、これが結果として生体内ではdecoy作用として働いている可能性が示唆された。従って、in vivoにおけるアポト-シスと腫瘍の相互関係は、mFasのみでなくその同位体(isoform)も加味して理解することの重要性が示された。
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