研究概要 |
SSCPは骨密度と関連を示すVDRgeneのIntron8及びExon9上の変異部位(Bsm1,Apa1,Taq1)を挟むようにPCRを行い、次いで一本鎖DNAに解離後、レーザー励起蛍光検出キャピラリー電気泳動で解析した。本研究では、PCR条件、分離条件、インターカレーション試薬の開発等を行い、三種のVDR多型(Bsm1,Apa1,Taq1)を解析する方法を確立した。この方法により、実際の臨床検体の遺伝子解析を行った。一方、より簡便でかつ多量の試料を一度に解析するための方法として、生物発光と希土類金属を標識とするRFLPイムノアッセイの確立について検討した。即ち、ビオチン、ジゴキシゲニン、フルオレセイン標識プライマーを用いてRCRを行い、制限酵素で処理後、酵素(アセテートキナーゼ)あるいは希土類(ユーロピウムとサマリウム)で標識したバインダー(生物発光ではアビジン、希土類では抗FITC抗体、抗ジゴキシゲニン抗体)を用いて検出した。その結果、生物発光及び時間分解蛍光検出のRFLP-イムノアッセイでVDR遺伝子多型解析が迅速に行うことが可能になった。本研究では、骨粗鬆症と関連のあるVDR遺伝子の多型解析を迅速、高感度、さらにより正確に行うために、レーザー励起蛍光検出キャピラリー電気遊動によるSSCP法、生物発光検出によるRFLP酵素イムノアッセイ、さらに数種の多型を同時に解析することができる時間分解蛍光検出RFLPイムノアッセイの開発を行った。これら分析法により、VDRの多型Apa1,Taq1,Bsm1が容易に、かつ正確に解析することが可能になった。本研究で開発された成果は、DNA解析を用いた他の臨床診断にも適用可能である。
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