本研究は、外科系看護婦が臨床において推論を用いて看護上の問題を明らかにしている実態を明らかにするために、データが十分に得られた胃癌患者の病歴ならびに看護計画用紙を分析し、臨床把握による看護問題のマップの作成を試みた。その結果、優先度の高い順に、「呼吸器合併症の危険性」「身体的苦痛」「不安」等が抽出された。熟練看護婦が有する臨床的推論力とは、先を見通し、行動しつつ考え、手術侵襲や術前後に起こりうる看護問題に精通することで、教育的配慮によってそれらは育成できる。 またクリティカルケア看護に携わる看護婦のキャリア開発と今後の研究課題としては次の5つが明らかとなった。(1)危機状況にある人の経験、(2)急性期における人間性の回復、(3)先端・高度医療と人間性の調和、(4)介入的緩和ケアの必要性、(5)医師との共働、連携である。
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