研究概要 |
本研究は,小児成人病(生活習慣病)のハイリスクである,2型糖尿病患児や肥満児が,差し迫った生命の危機や重篤な症状のない現状で,どのように自分の健康についての認識をもち,どのような動機づけをもって日常生活や健康管理行動を行っているのかを明らかにし,看護援助方法を検討することを目的としている. 平成11年度は,平成9年度に行った小児期発症の2型糖尿病患者の調査の中から,合併症を発症したことで療養行動が改善した2事例の,病気と療養行動の捉え方についてまとめ投稿した. また,平成10年度に小学校1〜6年生の学童とその親1485組を対象に行った,学童とその親の日常生活習慣と健康状態の実態と捉え方についての分析を進め,学会で発表し雑誌と学会誌に投稿した.学童の日常生活習慣は,就寝時間や清潔習慣,食行動などで親の影響を大きく受けていること,楽しく体を動かすことが,学童の心身両面を整える上で重要であること,高学年で増加する買い食いや夜食,甘い飲み物の摂取について対策が必要であることが示唆された.本研究の結果を基に,小学校で実施できる日常生活習慣改善プログラムの検討を養護教諭を交えて検討を始めている. また,対象者の中から肥満児とその親179組を抽出し,日常生活習慣と健康状態の実態と捉え方について,学会発表と投稿にむけて最終的な分析とまとめを行っている.
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