研究目的:1980年代の後半から我が国の看護状況は、高齢社会の到来が予測される中で21世紀社会体制整備の必要性から諸側面で多くの変化が生じた。訪問看護制度の発足(1990)、看護婦等人材確保法の制定(1992)、看護人材養成としての看護系大学の急増(1992から)などである.このように80年代後半から10年間看護の急激な変化の要因を明らかにし説明するために、マスメディアである新聞報道と看護関係雑誌の内容を分析することによって、これらの変化を客観的に評価し説明できる資料(結果)を得る。また今後に必要な看護政策の研究方法論の検討をも目的とする. 実施計画:研究第1年度は、全国紙について80年代後半から10年間の看護関連報道内容を拾い出し、分類・分析した。特に看護婦不足が叫ばれ看護婦人材確保法の制定に至る1990(平成2)年に着目した.第2年度は看護関係雑誌から看護業務・看護教育・看護研究に関連する内容を拾い出し、テーマ・内容量等の側面から分類し看護領域において社会的要請に対応する動向を知る資料を得た。 1年度・2年度の結果を比較分析し10年間の変化の要因についていくつかの示唆を得た.これらから看護施策を動かす要因と実際の政策を評価するための基準を整理した。 経 過:9年度・10年度の結果をもとに、さらに次の作業が必要である.保健・医療・福祉に関する10年間の動向、国の医療政策・看護政策、医療関係団体のその間に動き等に関する資料を参考に、これ迄に得た結果について考察を深める。また、この10年間以外についてもこの期間との関係において触れる.
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