| 研究概要 |
【目的】
肝切除患者のQOL向上を目的とした看護プラン作成の基礎的資料とするために,10年前と最近の4年間における肝切除症例の手術成績を比較し,周術期管理の面から変遷の要因を検討した.
【方法】
対象 グループA:10年前の肝切除症例(1985年1月〜1988年12月,n=96)
グループB:最近の肝切除症例(1995年1月〜1998年12月,n=109)
検索項目 1. 患者背景:原疾患,合併肝病変,術前肝機能
2. 手術因子:肝切除範囲,皮膚切開,出血量・輸血,肝断部ドレーン挿入の有無
3. 術後経過:高ビリルビン血症発生状況,経口摂取・離床の開始時期,術後在院日数
4. 手術成績:術後合併症,手術死亡・在院死亡
【結果】
1. 手術成績:最近の肝切除症例は10年前に比べ,術後高ビリルビン血症の減少,abscess,sepsis等の術後合併症や手術死亡の減少が得られている.
2. 変遷の要因:(1)術前PTPE,開胸開腹アプローチ,出血量減少,自己血輸血等による手術侵襲の軽減,(2)カテーテルやドレーン類の最小限の挿入と早期抜去等,周術期管理の発達および工夫によるものと思われた.
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