研究分担者 |
石本 章子 大阪大学, 医学部, 教授 (20263254)
酒井 明子 福井医科大学, 医学部, 講師 (30303366)
高山 成子 福井医科大学, 医学部, 講師 (30163322)
森田 敏子 福井医科大学, 医学部, 助教授 (30242746)
宮本 裕子 福井医科大学, 医学部, 教授 (20303365)
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研究概要 |
1. 研究目的 看護学生および青・壮年期にある社会人を対象として、運動器系の特徴をもつ装具による高齢者擬似体験を行い、対象者が高齢者の身体的特徴とそれに影響される日常生活や社会生活上の問題および、援助の必要性への認識を高めるための有効性の検討. 2. 研究方法 看護学生および社会人を対象として(1)高齢者擬似体験装具装着による13項目の生活動作の実施(2)擬似体験実施前・後に高齢者の特徴や援助の姿勢に関連する内容を含む質問紙調査の実施 3. 結果 (1)対象者と背景対象者は学生218名,社会人54名、計272名で社会人は全員が有職者であった.現在高齢者との同居率は学生が13%,社会人が37%であり,日常生活あるいは仕事や学習上で高齢者と接する機会は,学生・高齢者ともに高いとはいえず,特に学生は低かった.(2)高齢者擬似体験に対する反応装具装着により13項目の生活動作を行った結果,学生・社会人ともに「階段下り」「斜面下り」に最も多く反応し,“早くできない"“転びそう"“恐い"“杖や支えが必要"と答えていた.中でも最も反応が高いのは学生の「階段下り」で,83%が恐怖感を訴えていた,また,学生・社会人ともに80%が「平面歩行」が“早くできない"と答えていた.(3)日常生活における高齢者への援助の意思 学生と社会人では部分的な違いが認められるものの,体験前・後ともに「席を譲る」「心身の状態に配慮する」など身体面の援助に対する意思が高く,体験後はさらに高めていた.一方「話し相手になる」「考えや意見を聞く」なとの精神面への援助の意思は体験前は低かったが,体験後には肯定的意見が著明に上昇し,擬似体験が身体面のみではなく精神面にも影響することが認められた. 4. 結論 高齢者擬似体験は学生・社会人ともに高齢者の理解と援助への認識を高める上で有効な方法である.
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