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1997 年度 実績報告書

腎移植を受けたレシピエントのQOLを高めるための看護援助モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 09672398
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岡山大学

研究代表者

林 優子  岡山大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50284120)

研究分担者 保科 英子  岡山大学, 医療技術短期大学部, 助手 (90294470)
渡邉 久美  岡山大学, 医学部, 助手 (60284121)
金尾 直美  岡山大学, 医療技術短期大学部, 助手 (30274020)
中西 代志子  岡山大学, 医療技術短期大学部, 助手 (50217783)
キーワード腎移植者のQOL / 社会・経済的な機能 / 家族の絆 / 情緒的な支え / 身体の健康 / 人生の充足感 / 余暇の楽しみ
研究概要

腎移植者のQOLを測定するために用いたFerrans & Powers Quality of Life Index(QLI)の信頼性及び妥当性について腎移植者137名を対象に検討した。その結果、クロンバックα係数が0.95であり内部一貫性が支持された。また、構成概念妥当性は直交回転バリマックス法による因子分析を行い、6因子が抽出された。それらの因子を「社会・経済的な機能」、「家族の絆」、「情緒的な支え」、「身体の健康」、「人生の充足感」、「余暇の楽しみ」と命名した。次に腎移植者329名を対象に移植後のQOLの傾向を検討した。その結果、QOLの全体の平均値は20.74(得点の範囲0〜30点)、各因子別のQOLの平均値は、社会・経済的な機能18.60、家族の絆23.37、情緒的な支え19.99、身体の健康19.74、人生の充足感23.08、余暇の楽しみ21.41であり、家族の絆や人生の充足感が高く、社会・経済的な機能が最も低い傾向にあった。
また、QLIの質問項目の中の「移植された腎臓」と「受けている医療」に不満足と回答した6事例と、「現在の人生についてどのように感じているか」という質問について人生に対する感じ方が移植後否定的になった3事例を分析した。前者は健康に対して全員が不満足感を抱いており、特に生体腎移植者において、家族に対する責任能力が果たせないと感じていることが示された。後者では、腎臓や健康に満足していないと人生に対する感情は否定的になるが、腎臓や健康など身体的状態に満足であると感じていても、周囲からのサポートが得られていないと感じたり、家族に対する責任能力を果たせないと感じているとQOLが低下する傾向が見られた。それらの結果は、腎移植者に対して身体の健康に向けてのかかわりはもちろんのこと、適切なサポートの提供が重要であることを示しているものと考えられた。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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