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1997 年度 実績報告書

褥瘡発生機序に関わる皮膚微小循環と形態との関係

研究課題

研究課題/領域番号 09672407
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大分医科大学

研究代表者

萩澤 さつえ  大分医科大学, 医学部, 教授 (90040071)

研究分担者 浅田 裕司  大分医科大学, 医学部, 助手 (30284798)
荒尾 博美  大分医科大学, 医学部, 助手 (00274746)
島田 達生  大分医科大学, 医学部, 教授 (80080555)
キーワード褥瘡 / 皮膚毛細血管の分布 / 形態変化 / 皮膚血流 / 圧迫 / 累積効果
研究概要

本研究では褥瘡の発生機序を解明するため体重により圧迫を受ける部位とそうでない部位の皮膚毛細血管の分布の違いを明らかにすることを試みた。研究方法として,今年度は,献体として提供された老人遺体3例について人間が臥床したら褥瘡好発部位となる仙骨部,皮下組織が厚く臥床してもほとんど褥瘡発生がみられない大殿筋中央部,坐位をとることによって日頃から常に圧迫を受けている坐骨部の皮膚毛細血管の構築を調べ,併せて表皮や真皮乳頭の形態も検討した。まず,各部位の皮膚を採取し,パラフィルムアルデヒド固定した試料を乾燥し,切片(約20μ)を作成した。次に,アルカリフォスファターゼ反応をもとにファーストレッドを染料として使用し,各部位の表皮,真皮乳頭および真皮乳頭層内の毛細血管を光学顕微鏡で検索した。その結果,仙骨部では大殿筋中央部や坐骨部に比べて皮膚がやや厚く,多数の乳頭が観察された。毛細血管の形状は手指のそれと類似しており,真皮乳頭層から乳頭内に直接的に侵入し,先端部からUターンするループ状であった。大殿筋中央部では表皮は薄く,1例に指状の真皮乳頭が観察されたが,他においてはそのような指状の真皮乳頭は少なく,真皮の表面はゆるやかなカーブを描いていた。毛細血管は真皮乳頭層内に散在して分布しているにすぎなかった。坐骨部では,部分的に指状の真皮乳頭がみられ,毛細血管の密度は仙骨部と大殿筋中央部との中間の様相を呈していた。来年度は,研究最終年度として今回と同部位の健常者の皮膚を用い,皮膚血流と真皮乳頭部の毛細血管の分布を調べ,健常者と長期臥床者とで比較してみる予定である。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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