本研究は、癌化学療法による副作用軽減に及ぼすリラクセーション効果とリラクセーション技法による効果の違いを明らかにすることを意図している。 選択した2つのリラクセ-シヨン技法-漸進的筋弛緩法とイメージ法-それぞれについて専門家のアドバイスを受けながらトランスクリプトを作成した。その後、専門家によるテープの吹き込みを行い、被験者のセルフトレーニングに用いるためにダビングをした。また、被験者のリラクセーション技法の理解を助けるために、「リラクセーションの手びき」を作成した。さらに、化学療法の副作用とみなされる身体的・精神的症状を測定するための調査紙を検討して選択し、被験者の背景的データ収集表も作成した。 被験者の診断名や化学療法プロトコールの類似性を高めることを念頭に、被験者の選択基準を設定し、データ収集場所を大学病院と決定し病棟を選択した。研究の準備は完了し、パイロットスタディを実施する段階に入っている。データー収集の条件は整っているため、次年度で研究目的は達せられると予想される。 本研究と平行し、癌化学療法の副作用に関して過去にどのような研究がなされてきたか、研究の文献レビューを試みている。また、わが国の看護領域において、リラクセーション技法がどのように適用され研究されているかを明らかにするために文献研究を行い、第17回日本看護科学学会(1997年)で発表すると共に「臨床看護研究の進歩 VOL9」に誌上発表した。研究を積み重ね、癌化学療法に伴う副作用に伴う看護介入としてリラセーション技法を位置づけていくことが究極の課題である。
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