研究概要 |
本研究は、癌化学療法による副作用の軽減に及ぼすリラクセーション技法(漸進的筋弛緩法と誘導イメージ法)の効巣とこれら2種の技法による効果の違いを明らかにすることを意図している。 F大単附属病院に入院し、化学療法予定患者で選択基準番満たす5名を対象に、パイロットスタディを実施した。対象者にとってリラクセーションテープの内容は理解しやすく使い方も簡単であり、プレステト・ポストテスト用の質細紙尺度も妥当であると考えられ、リラクゼーションの指導室確保に関する調整を除けば、とくに問題はなかった。その後、本調査のデーター収集を開始した。本研究の対象者は、がん化学療法を受ける60名であった。データー収集場所として、病院内某病棟一カ所に限定していた。その理由は、被験者のがん診断名や化学療法プロトコールの類似性が高く、二つの技法による効果の違いが明確になる可能性が高いと考えられたからである。しかし、実際のデータ収集には、予想以上の期間を費やすことになった。それは、病棟内で被験者間の交流を避けることが物理的に困難であり、それによるContamination(汚染)の影響を最小限にするために、同期間内での研究参加者を少人数づつに制限したためである。研究計画の段階では、年度内にデータ収集を終えて分析し論文作成をする予定であったが、データ収集を終えるに止まった。 本研究と平行し、3rd International Nursing Research Conference(Tokyo、1998年)のシンポジウムにおいてがん化学療法副作用に対するリラクゼーション技法の有用性について発表した。また、昨年度から着手してた,癌化学療法の副作用に関する研究論文のレビュー結果については、第13回がん看護学会学術集会(東京,1999年)で口頭発表した。現在、その論文を作成中である。
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