本研究の目的は、手術によりボディイメージに変化をきたした在宅療養者のQOLの要因を明らかにし、手術によりボディイメージに変化をきたした在宅療養者のQOL測定ツールの信頼性・妥当性を検討することである。 1.手術によりボディイメージに変化をきたした患者の在宅療養の実際についての調査 手術を受けボディイメージに変化をきたした患者10名を対象としてインタビューを行い、QOL等に関して分析を行った。また、在宅療養の実際を知るために、手術を受け退院した患者32名と担当した看護師108名のアンケート調査を行った。ボディイメージに変化をきたした在宅療養者のQOLツールを試作した。 2.乳房切除術、人工肛門造設術、四肢切断術、喉頭全摘出術を受け、退院後2年以内の患者84名に郵送でツールによるアンケートを行い、信頼性・妥当性の検討を行った。 質問紙の作成段階で専門とする看護師により内容検討を行っている。また、因子分析を行い、4因子を抽出し、次のように命名した。第1因子:身体への心理的評価、第2因子:身体の症状・機能、第3因子:社会的相互関係、第4因子:生命・生活に対する意欲。 累積寄与率は52.18%であった。ツールの信頼性の指標であるCronbach's α係数は、0.724であり、その信頼性が確認された。
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