研究課題/領域番号 |
09672425
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
雄西 智恵美 東海大学, 健康科学部, 教授 (00134354)
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研究分担者 |
中村 雅子 東海大学, 健康科学部, 助手 (40287115)
大石 ふみ子 東海大学, 健康科学部, 助手 (10276876)
水野 道代 東海大学, 健康科学部, 講師 (70287051)
藤村 龍子 東海大学, 健康科学部, 教授 (90070763)
江川 幸二 東海大学, 健康科学部, 講師 (90276808)
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キーワード | セルフケア / 肺がん患者 / 肺切除術 / がん看護 |
研究概要 |
昨年度に引き続き周手術期にある肺がん患者のセルフケア状況について調査し、術後の呼吸機能がほぼ固定すると言われる術後1年までの期間を目処に追跡調査した。 術後に化学療法や放射線療法の補助療法が適応にならなかった14名を対象に参加観察と面接を実施した結果、術後肺がん患者のセルフケアとして、≪セルフケアの動機づけ≫≪セルフケアの方向づけ≫≪セルフケアの実現≫および≪セルフケアの寄与因子≫が導き出された。≪動機づけ≫には、<がんになったことの重大性の理解>や<自分と家族の人生を変える出来事>などがあり、癌になったことの意味の重大性を認識評価していることを意味し、自己のために意図的行為を発動させる理由になっている。≪方向付け≫は<当面の目標を決める>や<自分らしい生きる>があり、セルフケアの主体である患者が、どのような方向に成長することを目指しているか、つまり学習の課題を示していると捉えられた。≪セルフケアの実現≫には、手術によって変化した呼吸機能を取り戻すために<計画的に運動を実施する><呼吸訓練を行う>ことや危険を予防するために<無理をしない><他者の監視のもとに活動する><身体の変化に注意を払う>ことをしていた。また、社会的な役割を維持するために<仕事が継続できるよう調整>などを行っていた。肺がんの手術体験者となったことで必要となったセルフケア行動としては、<指示された運動療法を実行する><医療者の指導を取り入れる><再発の不安をコントロールする><生活環境から再発のリスク要因を排除しようとする>があり、がん患者特有なセルフケア活動と捉えられた。セルフケアは動機づけ、方向付け、実現が一体となった活動であり、このセルフケア活動促進に寄与する因子として、<医療者との信頼関係><ソーシャルサポート><身体的苦痛の程度>が考えられた。
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