平成9年10月より都内の総合病院の内科病棟に入院している高齢者で、痴呆症状があると思われる患者とその病棟の看護婦を対象に参加観察を行い、現在4名目の患者について参加観察中である。 参加観察は、週1回、1回2〜3時間程度、高齢患者の日常生活の援助に参加しながら、患者の表情、口調、言葉の内容、動作等の言動パターンの観察を行っている。また、同時に看護婦の患者に対する言動(表情、口調、態度、動作等)ついても観察を行い、観察したことに関しては、詳細にフィールドノートとして記述している。参加観察後に、その日の受け持ち看護婦に対して非公式的に面接を行い、患者の対象の状態や言動についてどのように認識しているのかなどを語ってもらい、許可を得てテープに録音している。また、病棟で行われるカンファレンスへ参加したり、看護記録・カルテなど対象の患者に関する情報についても補足的に得ている。 現在、まだデータ収集の段階であり、データの分析結果を出すまでには至っていない。これまでの研究過程の問題としては、参加観察を行う時間が少ないため患者の言動をパターンとして捉えることが難しく、また面接時間も少ないと思われる。また、現在までの対象数も少ないことから、一般化することもできないのが現状である。今後、参加観察の時間を最低週2回、4〜5時間まで増やし、対象数も多くする必要がある。来年度の計画としては、データ収集を来年度の7月頃まで継続して行い、8月から収集したデータ開始する予定である。
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