脳血管障害および神経難病患者の在宅ケアにおける、ケースマネジメントの最初のプロセスである対象ケースの発見とスクリーニングの簡便な一方法を検討するために、上記疾患々者の追跡調査を基礎にして、身体的日常生活動作レベル、年齢階級、疾患から構成したケースミックス指標の開発を試みた。調査は、当初の研究目的に従って、訪問看護ステーションの制度が発足する以前と以後の2回実施した。なお、1回目の調査は既調査済みであり、このデータベースを再構成している。 1.1回目のデータベースを再構成した450ケースからなるデータセットの解析の結果、身体的日常生活動作レベルの障害の程度は、ガットマンの階層的一次元性があり、かつ年齢階級により、その障害される順序性が異なっていた。これらは、入院期間、性別によらなかった。ただし、疾患は、同程度の障害でも、在宅ケアの主観的な困難度に相違を示した。 2.2回目の調査は、現在解析中であるが、対象者の男女比は、男:女=3:2で男性が多く、平均在院日数は、1回目調査より短縮している。これは新しい治療法(r-ナイフ手術)を受けた対象者が3日間で退院したためである。 3.今回検討しているケースミックス指標は、看護/介護ケア時間数、ケア項目、在宅ケア困難度を反映するものと考えられるが、今年度さらに詳細に解析を行い、これらを最もよく反映するケースミックスの組み合わせ、すなわち日常生活動作レベルや年齢階級の分類の仕方を検討し、本指標の有用性を考察する予定である。
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