研究課題/領域番号 |
09672433
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋市立大学看護短期大学部 |
研究代表者 |
松下 美惠 名古屋市立大学看護短期大学部, 教授 (30241201)
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研究分担者 |
古田 真司 愛知教育大学教育学部, 助教授 (90211531)
鈴森 薫 名古屋市立大学医学部, 教授 (80117829)
水野 金一郎 名古屋市立大学看護短期大学部, 教授 (70079995)
犬飼 玉味 名古屋市立大学看護短期大学部, 助手 (20259352)
堀田 法子 名古屋市立大学看護短期大学部, 講師 (90249342)
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キーワード | 胎児診断 / 胎児治療 / 意識調査 |
研究概要 |
本稿では、胎児治療についての倫理的・社会的受容過程および医療的コンセンサスを探るために予備調査として、同性であり、胎児治療を受ける妊婦に最も身近で援助する助産婦を対象に『助産婦の立場であった場合』『自分が患者であった場合』『家族・同胞が患者であった場合』の3つの立場での対応について質問し、胎児治療における看護経験の有無による意識の相違を検討した。 対象は、8施設の助産婦83名であり、方法は、郵送による質問紙調査である。質問内容は1)助産婦の立場として、患者に胎児治療を勧める方向で対応するか、または勧めない方向で対応するか、およびその理由。2)自分が患者であった場合に、胎児治療を希望するか、またはしないか。さらに、胎児治療を希望しない場合、その後の妊娠を自然に任せるか、または人工中絶を希望するか、およびその理由。3)家族・同胞が患者であった場合に、胎児治療を勧める方向で対応するか、または勧めない方向で対応するか、およびその理由である。 結果は、(1)看護経験のない群は約50〜60%、看護経験のある群は約60〜80%、ともに半数以上の人が胎児治療受容に肯定的であった。また、看護経験のある群の方がより胎児治療受容に積極的傾向がみられ、とくに、自分が患者であった場合は、看護経験のある群が、有意に(p<0.05)胎児治療受容に積極的であった。(2)看護経験のない群、ある群ともに助産婦→自分→家族・同胞の順に胎児治療受容に消極的であった。(3)自分が患者の場合、胎児治療を希望せず、その後の対応で中絶を希望した人の理由の多くは「育児に自信がない」であった。 以上、3つの立場で質問をしたことから本音と建前を越えた胎児治療受容に対する意識をとらえることができた。
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