研究分担者 |
高井 美紀子 島根県立看護短期大学, 専攻科, 助手 (40310809)
齋藤 茂子 島根県立看護短期大学, 看護学科, 助教授 (90310804)
吾郷 美奈江 島根県立看護短期大学, 専攻科, 教授 (20209844)
中谷 久恵 島根県立看護短期大学, 専攻科, 講師 (90280130)
栗谷 とし子 島根県立看護短期大学, 看護学科, 助手 (10290496)
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研究概要 |
本研究は、テレビ会議システム及びテレビ電話を利用して地域で生活している人々を対象とし、主として在宅ケアを支援するシステムの開発をすることを目的としている。 平成9年度は、ディジタル回線INS64を利用したテレビ会議システムによって在宅ケアを支援するシステムの開発を目的とし、島根県立看護短期大学と出雲市鳶巣公民館および川跡公民館を接続して、双方向情報通信実験を実施した。この実験ではテレビ会議システムを用いた地区住民への健康教育として健康体操、介護のためのボディメカニクスなどを実施し、本システムの動作確認と啓発を行った。その啓発活動により、参加者からの有益な助言・感想をもとに、本システムによる在宅ケアを支援するための基盤作りができた。 平成10年度は、平成9年度の結果をふまえて要介護者宅に操作が容易でより安価なテレビ電話を設置し、ニーズにあった支援を行った。支援はテレビ電話を用いて看護介入を行い(在宅テレケアという)、その事例は、平成10年8月までが2事例でその後順次増やして、平成11年3月までには7事例までになった。また訪問看護を行っている2つの医院にもテレビ会議システムを設置し連携を図ると共に有効な活用方法について検討した。 これまでの看護介入(テレケア)により、次の成果が得られた。 (1)在宅テレケアは,要介護者の寂しさ・不安感を解消するのに有効な手段となった。 (2)定期的な在宅テレケアは,要介護者に積極性や生活にリズムをつける効果があった。 (3)在宅テレケアにより,要介護者の社会性の拡大が図られた。 これらのことから、今後,自宅ケアが増加していく中で,在宅テレケアの活用は,新しい質を持った独自の支援方法と成りうることが認められた。 また、在宅テレケアを行う中で、看護職者が要介護者に他の要介護者を紹介したのをきっかけに、要介護者同士のテレビ電話による交流が始まった。この要介護者間の交流により、家に閉じこもりがちな要介護者を無理なく徐々に社会との交流に導いていけた。このことにより、テレビ電話による要介護者同士のネットワークを構築し、運用して社会的なネットワークの拡大を図る可能性が認められた。
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