研究概要 |
洗浄力を保ちつつ節水と洗剤使用量を節減し,かつ被洗物の損傷劣化を最小限に抑えた洗浄方式として,回転ドラム式洗濯機について洗浄要因を探り,以下の結果を得た 1) 浴濃度と対繊維濃度の観点からみた洗浄効率と洗剤所要量,水量の関係 洗浄効率約50%を得る際の洗剤所要量は、浴濃度からは1.5g/L(被洗物2kgを20Lで洗浄する場合は15g),対繊維量からは9.2g/kg(被洗物1.2kgを20Lで洗浄する場合11g)であった。すなわち、回転ドラム式洗濯機では、浴濃度より対繊維量基準の方が洗剤所要量が少ないが,しかしその場合、被洗物当たりの必要水量が多い. 2) 被洗物重量の影響 洗浄効率におよぼす被洗物量の影響は,3.0kgまではみられないが,3.5kgになると洗浄効率を増加させ、洗いむらは逆に減少する. 3) 有効な落下距離に関係する洗濯槽内の空間の影響 浴比一定の下では、空間比の増加とともに洗浄効率も増加を示し、空間の影響があるかにみえるが、全実験条件でみると、空間比と洗浄効率に相関があるとは言えない。 4) 機械力および布の損傷性について渦巻き式洗濯機との比較 糸のほつれ数を指標とした機械力と被洗物量との関係は、回転ドラム式洗濯機では正の相関が,渦巻き式洗濯機では負の相関がみられた.しかし布の変形率は,両洗濯機間においてほとんど差がない.
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