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1997 年度 実績報告書

調理過程における香辛料成分の動態と活性評価

研究課題

研究課題/領域番号 09680010
研究種目

基盤研究(C)

研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

久保田 紀久枝  お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (90008730)

キーワード加熱分解 / 1'-アセトキシチャビコールアセテート / ナンキョウ / ショウガ / 抗酸化活性成分 / ジンゲロン / ショウガオール
研究概要

ショウガ科香辛料のショウガおよびタイ産ナンキョウは強い抗酸化活性を有することが知られ、ショウガではジンゲロンやショウガオール、ナンキョウでは1'-アセトキシチャビコールアセテート(ACA)が主要活性成分として報告されている。本研究はこれら活性成分の調理加工における安定性を調べ、実際の食生活の中での香辛料の健康への寄与を評価することを目的とし、まず煮熟や油脂共存下における上記成分の動態を調べた。ジンゲロンおよびショウガオールを含む水溶液を沸騰させ加熱を2時間続け、各成分の含有量の経時的変化を調べた結果、両化合物ともほとんど分解減少は認められずス-プなど水中の加熱調理条件では安定に存在し、共存する油脂や動物性素材の脂肪の酸化を抑制していることが分かった。一方、ナンキョウにおいては、リノール酸に対しBHTに匹敵する強い抗酸化活性を示したACAは煮熟すると消失してしまうことが分かった。詳細にその動態を調べた結果次のようなことが分かった。ナンキョウ小片を水中で加熱するとACAは沸騰と同時に1'位が脱アセトイルしヒドロキシ体となり、沸騰15分後にはACAは約50%減少し30分後には完全に消失した。また、ヒドロキシ基がアリル位転移した異性体も生成され、沸騰30分後以降では両異性体比はほぼ1:1となった。一方、ラ-ドを10%添加した系で沸騰させた場合、ACAの一部がラ-ドに溶解し保護され、沸騰30分後でも約3.4%のACAが分解されずに残存した。また、分解生成物のリノール酸に対する抗酸化活性をTBA法で調べたところACAに比べかなり弱いことが分かった。今後更に詳細に検討する予定である。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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