平成9年度は石川県の補足調査を実施し、石川県の調査はほぼ終了した。平成10年度は富山県の調査を実施(平成10年10月)した。調査対象は富山県射水郡小杉町にある太閤山ニュータウン内に居住する世帯とした。太閤山ニュータウンは富山市のベッドタウンとして約20年前に順次計画分譲された戸建分譲住宅地である。有効回収数は106票である。本調査において以下の結果が得られた。 1.家族人数は最も多いのが3人で29.2%、2人、4人も同様に多く、2〜4人世帯で76.4%を占める。家族構成は夫婦+長子19才以上の世帯が32%と多く、高齢夫婦のみ世帯や三世代世帯も多く、3者の合計は71%となり、全体的に居住者のライフステージが高い住宅地である。住宅供給時に30代〜40代で子供が小学生や就学前児であった世帯がそのまま年齢を重ねた結果であろう。夫の職業は管理職が比較的多いが、年齢層が高いので当然であろう。全体的にサラリーマンが多く、富山市のベッドタウンとしての機能がうかがわれる。2.室構成は5〜7寝室にLDKかDKのタイプが多いが、Lが2室あるなど二世帯住宅とみられる場合も数例みられる。洋室を持たない場合も多いが、平均すると和室が3.7室、洋室が1.8室となった。3.夫婦の就寝は和室約80%、洋室は18%程度である。子供寝室は洋室の割合がやや高く40%程度となる。4.冠婚葬祭を自宅で行うことに関して、正月の祝い(95.1%)、結納(57.5%)、法事(39.8%)、葬式(10.9%)、結婚披露宴(2.0%)の順で自宅で行うのが当然とする世帯が多い。5.住宅の評価は総じて60%程度が満足しているが、居住年数が長い世帯が多いため住宅の設備や収納に対する不満が比較的多くなっている。住宅の評価に比較し住環境に対する評価は非常に高く90%が満足している。6.高齢期の子世帯との住み方の理想は、近居(45.5%)や隣居(20.2%)とする世帯が多い。現実的にも近居が多く41.5%、次いで設備共用の同居で27.7%である。
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