東南アジアおよび照葉樹林帯には多くの民族が生活しており、特有の食生活を営み、特有の伝統的な発酵食品が存在している。それらの地域から採取した微生物の検討・保存、食品調整・代謝産物の人体への影響、つまりアレルゲンたんぱく質の分解能をもつ微生物が存在していた。そのためアレルゲン分解能試験およびIgE誘導能試験など多角的に検討する。さらに普遍的な微生物を用いた新しい食品への応用・開発を目的とし研究を遂行した。 東南アジアの高タンパク質食品である魚、肉、大豆等の自然発酵食品に注目し微生物の探索を行なった。なかでも味の良い食品、または調味料になる過程に関与しているたんぱく質分解酵素コラ-ゲナーゼ生産株の検索を行った。コラ-ゲ-ナーゼはアレルゲンたんぱく質を分解し、低アレルゲン化が報告されている酵素である。このようなコラ-ゲ-ナーゼ生産菌はラオスの魚醤より分離でき、Bacillus subrilisと同定した。本細菌は耐塩性細菌で、コラーゲンとポリペプトンによって誘導される好気性コラ-ゲナーゼ生産菌であった。0.75%ポリペプロンと、1.0%NaClを含有する培地により、高い酵素活性を示した。
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