研究概要 |
昨年Pseudomonas cepasiaを後発酵茶製造工程中に添加するとカテキンに影響することが明らかとなった。今年度は、Pseudomonas cepasiaのカテキン分解酵素について検討を行った。Pseudomonas cepasia培養液中にカテキンを共存させたときの各種カテキンの変化について検討した。培養液中のカテキン添加量は2mgとし、培養時間毎に高速液体クロマトグラフでカテキンを分析した。結果、(-)-エピカテキン((-)-EC)は、培養時間の経過と共に増加し、(-)-エピガロカテキンガレート((-)-EGCg)、(-)-エピカテキンガレート((-)-ECg)は培養時間3時間後に急激に減少した。Pseudomonas cepasia培養中には、遊離型のカテキンの分解が考えられた。次に、Pseudomonas cepasiaのカテキン分解酵素の所在について検討した結果、培養24時間後の培養液の硫安画分と菌体について検討した。その結果、Pseudomonas cepasiaの菌体にカテキンの分解酵素が存在することが明らかとなった。Pseudomonas cepasiaは、細胞壁の強固な微生物と言われているために次に菌体の破壊について検討した。菌体破壊は、超音波ホモジナイザー(CHO-ONPAKOGYO製)H-20を用いて30分間行ったものと大岳製作所製フレンチプレス(圧力1000Kg/cm^2)で菌体を破壊後、遠心分離(14000rpm,13000xG,60分間)遠心分離した上清と沈殿について比較した。その結果、フレンチプレスの上清に強いカテキン分解能が認められた。カテキン分解酵素の存在が明らかとなったために、粗酵素の安定性を検討した。結果3カ月までは、1カ月の酵素活性とほとんど変化が認められなかった。しかし、今後カテキン分解酵素について検討するときに、カテキンが酵素タンパクと吸着性が大きいことが認められた。今後はカテキン分解能からの検討が必要と考えられた。
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