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1997 年度 実績報告書

乳化食品の物性と官能評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09680029
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪市立大学

研究代表者

山本 由喜子  大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (00174821)

キーワードエマルション / 粘度 / 味覚 / 塩味
研究概要

タンパク質の乳化活性を利用したエマルションについて、粘度のような物理的特性が、塩味や甘味のような味覚におよぼす影響を調べて、嗜好的にも優れた乳化食品の調理加工を検討することを目的として研究をスタートさせた。まず本年度は、食用乳化剤としては最もポピュラーな卵黄を用いて、乳化食品の塩味におよぼす油相ならびに粘度の影響を検討した。市販サラダ油、市販飲料水、新鮮な卵黄および食塩を用いて、撹拌法によりエマルションを調製した。卵黄含量は10%、食塩は0.9%、油脂含量は35%または70%とした。塩味強度は官能検査法により比較し、基準の食塩水溶液またはエマルションの塩味を100とした相対塩味強度で表わした。粘度の影響を見るためには、食塩、または砂糖を添加したコーンスターチ溶液を糊化させたものの塩味、甘味を同様にして測定した。またこれらの試料の粘度を、回転粘度計(HAAKEVT550)を用いて25℃で測定した。その結果、味覚強度への粘度の影響は低粘度の範囲では小さかったが、高粘度側では塩味や甘味の強度が低下した。実験に用いたエマルションの粘度は、味覚強度への影響が弱い範囲にあった。次に。エマルションの塩味は、等塩濃度の水溶液や同程度の粘度のデンプン溶液よりも有為に強く感じられることが明らかになった。そしてそれは、エマルション中の食塩の大部分が水相にあり、その濃度が高くなるためと考えられた。しかし、水相の濃度と等しい食塩水よりは塩味を弱く感じ、それは、エマルション中の油滴により塩味が強められるものと予想された。次年度には、このようなエマルション中での味覚強度低下効果の機構をさらに検討し、また、甘味、苦味など塩味以外の味覚についても検討したい。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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