1)たけのこ、いんげん、もやし、キャベツ、レタス、ブロッコリー、ごぼう、れんこんについて生、茹で、又は炒めたものの食物繊維量をProsky法に従い、測定した。その際、酵素処理残渣中の窒素を蛋白質として差引いた値と差引かない値とを比較した。可溶性繊維では、残渣単位量当たりの窒素量は多く、蛋白質の差し引きの有無による差は、繊維量当たりでみると30〜40%と大きいが、新鮮物当たりでみると可溶性繊維量は少ないので、0.5%以下の差であった。不溶性繊維では残渣単位量当たりの窒素量は少ないので、蛋白質の差し引きの有無による差は、繊維量当たりでみると20%前後であるが、新鮮物当たりでみると多いものでは0.6〜0.8%であった。これは繊維量の20〜30%に達すので、測定の誤差範囲を越えている。そのため野菜の食物繊維定量においてこの問題は更に検討しておく必要があると考えられる。今回の定量では、生では、たけのこ、キャベツ、ブロッコリーにおいてその差が大きいので、その差はクロロフィルの存在によるだけではないと推測される。 2)ヒトにおいてビタミンB_1の体内プールが飽和されている場合、それ以上にビタミンB_1を摂取すると、摂取量に比例して尿中にビタミンB_1が排泄される。そこで、ビタミンB_1プールが飽和されているヒトに、ほうれんそう(130g、食物繊維として4.7g)又は、ピ-マン(150g、食物繊維として3.5g)添加、豚肉食を給与し、豚肉のビタミンB_1吸収に及ぼす野菜食物繊維摂取の影響を検討した。その結果、ほうれんそう及びピ-マン添加によりビタミンB_1の吸収は20〜35%低下する低下することが認められた。
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