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1997 年度 実績報告書

調理によって起こる魚骨の変化とその機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09680033
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大妻女子大学

研究代表者

下村 道子  大妻女子大学, 家政学部, 教授 (70074937)

キーワード魚の調理 / マアジ / 魚骨 / 骨の軟化 / カルシウムの溶出 / タンパク質の溶出 / マリネ / 煮魚
研究概要

魚骨を軟化させて骨ごと食べる魚の調理にはマリネ、甘露煮などがあり、これらの酢漬け操作と加熱操作の調理における魚骨の軟化機構は異なるのではないかと考え、その違いを明らかにすることを目的にした。試料の魚はマアジを用い、全魚と骨だけとで、食酢浸漬、長時間加熱を行なった場合について、骨の硬さを測定し、骨から溶出する無機質のカルシウム、リン、マグネシウムを原子吸光分光計で測定した。その結果を述べる。(1)アジの内臓とえらをのぞいて、170℃の油中で12分間加熱後、食酢に浸漬すると浸漬時間が長くなるにつれて魚骨は軟化し、多くのカルシウム、リン、マグネシウムなどが溶出しているのがみられた。マリネ処理によって魚骨が食べられるようになることは、この魚骨からのカルシウムの溶出が軟化に関係していると考えられる。(2)アジを一尾で、10%醤油、20%食酢を加えてた液中で加熱したとき、骨の軟化の程度はわずかであって、水煮後食酢を添加することは骨の軟化に役立ち、醤油の添加は魚骨を硬くする傾向がみられた。(3)魚から骨だけを取出し、生と加熱(蒸し加熱)した骨を4%酢酸溶液に浸漬したとき、両骨とも酢酸浸漬の場合に重量が低下し、水分が上昇し、骨の厚さが減少した。また骨からのタンパク質の溶出は、24時間の浸漬ではほとんどなく、酢酸液では生骨から1.8%、加熱骨から3.1%溶出していた。酢酸液浸漬では骨の硬さが低下し、その割合は加熱骨のほうが大きく、加熱変性した骨のほうがカルシウムの溶出が大きい。したがってこの場合はタンパク質の溶出がカルシウムの溶出を促進したと考えられた。いま、加圧加熱による軟化について、硬さの測定、顕微鏡観察を行なっている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 下村道子他3名: "マリネの魚骨の硬さと成分変化におよぼす揚げ魚の温度の影響" 日本家政学会誌. 48・11. 963-970 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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