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1998 年度 実績報告書

調理によって起こる魚骨の変化とその機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09680033
研究機関大妻女子大学

研究代表者

下村 道子  大妻女子大学, 家政学部, 教授 (70074937)

キーワードマアジの骨 / 長時間加熱 / 軟化 / カルシウム / 加圧加熱 / 酢酸溶液
研究概要

1. 魚骨の長時間加熱、加圧加熱による物性と成分の変化
(1) アジを1尾のまま加熱した場合の骨の変化
マアジ(1尾85〜120g)を試料として,(1)水、(2)10%醤油水、(3)10%食酢水中で、20分、1、2、6、7時間加熱した。各時間の骨の硬さをレオメーターで測定したところ、いずれも2時間までに大きく低下し、さらに6時間、あるいは7時間まで低下を続けた。骨は6時間の加熱で、十分に軟らかくなり、骨を食べるのには6時間加熱が必要であった。しかし加圧加熱によって、30分までは急に低下し、その後50分あるいは60分まで緩やかに低下した。常圧加熱6時間の骨の硬さがおよそ加圧40分間に相当した。この場合10%食酢液の中で加熱したものが最も軟らかくなった。食用には40分加熱が必要であった。
(2) 骨を取り出して加熱した場合
アジの脊椎骨を取り出し、椎体をばらばらにし、(1)水、(2)茶汁(茶を加熱した汁)、(3)1%酢酸溶液の中で常圧で90分間加熱で軟化し食べられる程度になった。1%酢酸溶液中最も軟化した。加圧加熱10分間が常圧90分間加熱に相当した。
(3) タンパク質とカルシウムの溶出
骨を水中で加熱するとタンパク質が20%程度溶出し、カルシウムはほとんど溶出しない。1%酢酸溶液中で加熱したとき、タンパク質は60%程度、カルシウムは約50%溶出した。
2. 骨組織の観察
骨組織は、光学顕微鏡および走査型プロープ顕微鏡によって観察した結果、水の中で長時間加熱すると、タンパク質の組織は粗くなり、カルシウムは小粒化していた。食酢中で加熱すると残存したカルシウムはむしろ凝集しているようにみられた。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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