研究概要 |
1 大豆粕オムチョムの調製法の確立 大豆粕オムチョムの調製法を以下のように決定した.水分を60%に調整した大豆粕にNeurospore intermedia FGSC 2559の胞子を含むスターターを加えて30℃で18h加温し,胞子が発芽したら,湿度65%,27℃で24h培養する. 2 大豆粕のオンチョム化による食品的特性の変化 1)成形性付与 : 大豆粕がオンチョム菌の菌糸によってつなぎ合わされ,薄片からブロックまで自在に成形できるようになった. 2)加工性向上 : 保水性,吸油性,乳化性が増加した. 3)消化性向上 : 可溶性タンパク質や水溶性食物繊維が増加した. 4)鼓腸性の解消 : オンチョム菌がオリゴ糖を資化し,鼓腸の危険性を解消した. 3 生理活性の改善 大豆粕オンチョムを45%含む飼料をラットに投与し,以下の現象を確認した. 1)降コレステロール作用の強化 : 本来,大豆タンパク質は降コレステロール作用を有しているが,オンチョム化するとコレステロールの糞中排泄量が増加し,降コレステロール作用が著しく増強された.その原因として,タンパク質の低分子化と繊維の多孔質化が示唆された. 2)繊維の資化性向上 : 大豆繊維がオンチョム菌によって低分子化され,腸内細菌による低級脂肪酸の生成が増加した. 3)ミネラルの吸収性向上 : フィチンの分解によりカルシウムの吸収率が向上した.
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