研究概要 |
目的 オンチョムの生体内抗酸化作用をラットを用いて確認する. 研究力法 ビタミンE欠状態にしたラットに酸化油と脱脂大豆やオンチョムをタンパク質源とする飼料を投与し,酸化油の過酸化物の影響を調べた. 研究結果 脱脂大豆投与ラットでは対照ラット(ビタミンE供給群ラット)に比べ、体重増加量と血漿トコフェロール濃度が低く,血漿と肝臓のTBA値が高かった.オンチョム投与ラットではすべての測定項目にわたり対照ラットと有意の差が認めらなかった.この結果からオンチョムはinvivoでも強力な抗酸化力を発揮することが示唆された.オンチョムは脱脂大豆に比べ,いずれのトコフェロール同族体も少なかったが,イソフラボンのアグリコンが多く,α,β両カロチンが高濃度で生成されていた.また,ダイゼイン,ゲニステインが高濃度で含まれており,いずれも体内でよく代謝されていたことから,オンチョムの抗酸化力にα,β両カロチンとダイゼインとゲニステインが関与しているのであろう. 今後の問題 上記化合物はいずれもメタノ-ル可溶性であるが,オンチョムの抗酸化力にはメタノール不溶性物質も関与している可能性もある.今後はオンチョムのメタノール不溶性抗酸化物質を検索し,その強度を測定する必要がある.
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