研究概要 |
1. ビタミンC生成酵素(L-ガラクトノラクトンデヒドロゲナーゼ,EC1.3.2.3,GLDHase)のcDNAのクローニング: 昨年度報告したサツマイモGLDHaseのN-末端アミノ酸17個の配列およびV8プロテアーゼ消化断片4つのN-末端アミノ酸配列をもとに、DNAプライマーを合成し、可能な組み合わせを幾通りもつくり、若いサツマイモから単離したDNAをテンプレートとしてPCRを行い、出来たcDNAの部分鎖長を5'上流および3'下流に延長するPCR(RACE法)により、全鎖長のcDNAをクローニングした。そのクローンは581アミノ酸残基をもつポリペプチドであり、分子量66kDaのタンパク質をコードしていた。このアミノ酸配列はカリフラワーGLDHaseのアミノ酸配列と比較すると、77%ものホモロジーがみられた。また、アスコルビン酸生成に関与する動物のグロノラクトンオキシダーゼ(EC1.1.3.8)の配列と22%、酵母のL-ガラクトノラクトンオキシダーゼの配列と17%のホモロジーがみられた。ゲノミックサザン分析の結果、サツマイモのゲノム中にGLDH-ase遺伝子はシングルコピーとして存在することが示唆された。 2. タバコのアスコルビン酸オキシダーゼ(AAO)遺伝子を導入した形質転換タバコの解析:昨年度作製したAAO-センス形質転換タバコおよびアンチセンス形質転換タバコの種子をカナマイシン存在培地に播種し、次世代(T_1世代)にも初代形質転換体(T_0)で得られた形質が継代されるかを確認した。その結果、次世代(T_1)にも形質が継代されることを確認した。そして、アンチセンス形質転換体(T_1)では、アスコルビン酸量が増え、AAO-タンパク質(ウエスタンプロットにより)、AAO-mRNA(ノーザンプロットにより)量が減少している個体が数個とれた。
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