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1999 年度 研究成果報告書概要

遺伝子工学的手法を用いた野菜のビタミンC量の調節制御

研究課題

研究課題/領域番号 09680044
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 家政学
研究機関名古屋女子大学

研究代表者

大羽 和子  名古屋女子大学, 家政学部, 教授 (80023480)

研究分担者 松岡 信  名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 教授 (00270992)
山本 淳子  名古屋女子大学, 家政学部, 助手
研究期間 (年度) 1997 – 1999
キーワードアスコルビン酸 / アスコルビン酸オキシダーゼ / L-ガラクトノラクトンデヒドロゲナーゼ / L-グロノラクトンオキシダーゼ / 形質転換植物 / サツマイモ / ジャガイモ / トマト
研究概要

1.グロノラクトンオキシダーゼ(GLO)遺伝子を導入した形質転換体の作出と解析
(1)ジャガイモ形質転換体の作出と解析:形質転換個体でGLO遺伝子と35Sプロモーター遺伝子の存在が確認できた。形質転換体のうち2個体で総ビタミンC(VC)含量が原品種よりも高く、GLO活性が存在した。
(2)トマト形質転換体の作出と解析:カナマイシン入りの培地で発芽したp35S-GLO形質転換体のうち、60%の個体にGLO遺伝子の存在が確認できた。これらの個体のうち、VC含量が原品種(秋玉)よりも高い個体は11個体であったが、原品種のVC量の2倍以上を含有する個体は4個体であった。
2.アスコルビン酸オキシダーゼ(AAO)遺伝子を導入した形質転換体の作出と解析
(1)AAOの遺伝子をセンス方向に導入した(p35S-SeAAO)タバコ形質転換体(BAS群)は35個体あり、すべての個体で原品種よりVC量が少なく、そのうちAAO蛋白質量が多かったのは19個体であった。
(2)アンチセンス方向に導入した(p35S-AnAAO)形質転換体(BAR群)は17個体であり、BAR群では3個体で原品種よりVC量が多かったが、AAO蛋白質量が少なかったのはそのうち1個体であった。BAR群のVC量の平均値は、BAS群の平均値の2.7倍であった。
(3)AAO-mRNA量は、BAS群の12個体中9個体で原品種より多く、BAR群の7個体中すべての個体で少なくなっていた。
以上の結果から、GLOやAAO遺伝子の発現量がVC量を調節していることが示唆された。
3.サツマイモL-ガラクトノラクトンデヒドロゲナーゼ(GLDHase)のcDNAのクローニング
精製したサツマイモGLDHaseをV8プロテアーゼで切断した4つのポリペプチドのN-末端アミノ酸配列を決め、それから推測されるヌクレオチド鎖をプライマーにして、PCRでGLDHase遺伝子のcDNA断片を増幅させた。得られたcDNAクローンは、581個のアミノ酸、分子量66kDaをコードしていた。カリフラワーのGLDHaseのcDNAと77%の相同性があり、ラットのグロノラクトンオキシダーゼのcDNAとは22%の相同が認められた。ゲノミックサザン分析からサツマイモのGLDHase遺伝子はシングルコピーとして存在することが示唆された。

  • 研究成果

    (13件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (13件)

  • [文献書誌] 大羽和子 他: "ジャガイモ塊茎のビタミンC含量およびその合成酵素活性に及ぼす貯蔵温度の影響"日本食品科学工学会誌. 45(8). 510-513 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Tsuyoshi Imai et. al.: "L-Galactono-γ-lactone Dehydrogenase from Sweet potato : Purification and cDNA Sequence Analysis"Plant Cell Physiol.. 39(12). 1350-1358 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 大羽和子 他: "ジャガイモ塊茎の生育および冷却貯蔵に伴うビタミンC量およびその合成酵素活性の変化"調理科学会誌. 32(2). 102-108 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 山本淳子 他: "カット野菜のビタミンC量およびその合成・酸化に関与する酵素の活性"日本家政学会誌. 50(10). 1015-1020 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 山本淳子 他: "塩漬け野菜におけるビタミンC減少のメカニズム"日本家政学会誌. 50(11). 1133-1138 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 森山三千江 他: "未熟豆の冷却貯蔵にともなうビタミンC量の変化に及ぼす莢の影響"日本家政学会誌. 51(1). 15-21 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 大羽和子 他: "カット青果物と切り花の生産及び品質管理技術"エヌ・ティー・エス. 272 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Kazuko Oba et.al.: "Effect of Storage Temperature on Vitamin C Levels and L-Galactonolactone Dehydrogenase Activity of Potato tubers"Journal or the Japanese Society for Food Science and Technology. 45(8). 510-513 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Tsuyoshi Imai et.al.: "L-Galactono-γ-lactone Dehydrogenase from Sweet potato : Purification and cDNA Sequence Analysis"Plant Cell Physiol.. 39(12). 1350-1358 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Kazuko Oba et.al.: "Changes in Vitamin C Content and L-Gelactonolactone Dehydrogenase Activity of Potato Tubers during Tuber Development and Cold-storage"Journal of Cookery Science of Japan. 32(2). 102-108 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Atsuko Yamamoto and Kazuko Oba: "Changes in the vitamin C Content and Enzyme Activities Involved in the Synthesisi and Oxidation of Ascorbic Acid in Cut Vegetables"Journal of Home Economics of Japan. 50(10). 1015-1020 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Atsuko Yamamoto and Kazuko Oba: "Mechanism for the Decrease in Vitamin C Content of NaCL-Treated Vegetable"Journal of Home Economics of Japan. 50(11). 1133-1138 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Michie Moriyama and Kazuko Oba: "Effect of the Shall on the Change in Vitamin C Content of Immature Legumes during Cold Storage"Journal of Home Economics of Japan. 51(1). 15-21 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2001-10-23  

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