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天然志向の高まりにより、天然藍であるすくもを使った染色への関心が高まっている。伝統的な藍染は、発酵建と称する、発酵を利用した熟練を要する方法で行われているが、化学的な還元剤であるハイドロサルファイトによって簡便に藍染(ハイドロ建と言う)がなされることがある。そこで、ある藍染め製品が、発酵建で染色したものか、ハイドロ建で染色したものかを、染色過程の違い(還元剤の種類の違い)に依存して生成する何らかの不純物を分析することによって識別する方法を確立することを目指した。
ハイドロサルファイトでインジゴを還元したときには、その強い還元作用から、過還元生成物などが生成することが考えられる。そこで、生成する微量の副生成物を、高速液体クロマトグラフィーで探索した。まず、ハイドロサルファイトで還元し、再び酸化して得られたインジゴ中に含まれる不純物の探索を行い、還元前の市販試薬のインジゴとの比較を行った。市販試薬のインジゴから、構造不明の600nmの青色色素が検出でき、再酸化インジゴでは、検出できなかったこと以外に、成分の有無の違いが見られなかった。次に、染色布から抽出される成分を調べた。すくもの発酵建の染色布の抽出液からは、構造不明の青色色素が検出された一方、すくものハイドロ建の染色布からは検出されなかった。以上のことが、発酵建による藍染布とハイドロ建による藍染布の識別に利用可能であるかを今後検討していく。
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