研究課題/領域番号 |
09680052
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研究機関 | 山形県立米沢女子短期大学 |
研究代表者 |
山田 則子 山形県立米沢女子短期大学, 健康栄養学科, 教授 (50107314)
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研究分担者 |
尾形 健明 山形大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50091830)
松本 時子 山形県立米沢女子短期大学, 健康栄養学科, 助教授 (70310175)
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キーワード | ウコギ / 活性酸素消去能 / 加熱調理操作 / ESRスピントラップ法 / ビタミンE欠乏ラット / 過酸化脂質 |
研究概要 |
1. ウコギの調理操作による活性酸素消去能の変動 ウコギ(Eleuthreococcus sieboldianus)の葉をゆでる、蒸す、電子レンジなどの加熱調理を行い、操作後に凍結乾燥したものを試料としてスーパーオキシド消去活性をESRスピントラップ法およびDPPH法により測定し、調理操作の違いによるウコギの活性酸素消去能の変動を調べた。さらに、各試料からポリフェノールおよびビタミンCを抽出し、それらの調理操作による損失量を調べた。2分間の茹で操作によって消去活性は生葉の20%に減少したが電子レンジでは5分間加熱しても生葉と同じ高い活性を示した。これらの結果から、スーパーオキシド消去物質は短時間加熱には強い水溶性の物質であることが示唆された。また、総ポリフェノールおよびビタミンC量は蒸し操作では90%以上が残存したが、茹で操作の残存率は低い値を示した。 患者モデル動物を用いた活性酸素消去能のin vivo ビタミンE欠乏ラットおよびストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットを作成し、10%のウコギ粉末添加飼料で5週間飼育し、経時的にラット尾静脈から採血し、溶血率および血中の過酸化脂質量を測定し、in vivoにおけるウコギの活性酸素消去能を調べた。その結果、ビタミンE欠乏ラットに顕著に認められる溶血はウコギ粉末摂取により改善されほとんど認められなくなり、血中の過酸化脂質レベルもウコギ摂取により有意に低下した。以上から、ウコギ摂取は生体内の酸化反応を抑制できることが示された。さらに、ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットにおいても血中の過酸化脂質レベルもウコギ摂取により低下した。
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