研究概要 |
野菜,果実の主要アントシアニンの構造は標品のアントシアニンをLC/MSの色素成分分子イオンの質量数,フラグメントイオンの解析および高速液体クロマトグラフィーの相対保持時間により,エルダーベリーはCyanidin 3-sambubioside,ブドウ果汁はDelphinidin 3-glucoside,いちごはPelargonidin 3-glucoside,シソ葉はtrans-shisonin(PE1)とtrans-malonylshisonin(PE2),さつまいもはCyanidin(Cy)とPeonidin(Pe)に,3-caffeoylsophoroside-5-glucoside(SP1,SP4),3-caffeoyl caffeoyl sophoroside-5-glucoside(SP2,SP6),3-p-hydroxybenzoyl sophoroside-5-glucoside(SP3,SP7),3-caffeoy1 feruloyl sophoroside-5-glucoside(SP5,SP8)の構造を推定した。 酢酸発酵21日後のAN相対的残存率はシソのPE1 56%,PE2 17%が最も不安定であった。エルダーベリー,ブドウ,いちご中の主要ANの相対的残存率は64〜72%であった。さつまいもANのSP1とSP4は有機酸が1個結合したアシル化ANである。それに比べ,他のAN(SP2,SP3,SP5,SP6,SP7,SP8)はコーヒー酸以外p-オキシ安息香酸,コーヒー酸,フェルラ酸のアシル化酸が1個多く結合したアシル化ANであり安定であった。
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