研究課題/領域番号 |
09680060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 華頂短期大学 |
研究代表者 |
豊原 容子 華頂短期大学, 生活学科, 講師 (50241211)
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研究分担者 |
中西 理恵子 奈良女子大学, 生活環境学部, 講師 (90198119)
豊原 治彦 京都大学大学院, 農学研究科, 助教授 (90183079)
村田 道代 華頂短期大学, 生活学科, 教授 (30133135)
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キーワード | 血栓溶解酵素 / フィブリノーゲンザイモグラフィー / マイタケ |
研究概要 |
幅広く各種食品中の血栓溶解酵素の存在について検索を行った。まず、5倍量の生理食塩水とホモゲナイズし、その遠心上清を酵素液として用い、フィブリノーゲンザイモグラフィーによるフィブリノーゲン分解活性と人工血栓の溶解量から血栓溶解活性を調べた。数々の食物にフィブリノーゲン分解活性と血栓溶解活性を認めたが、この中で、特に、キノコ類については、マツタケをのぞきほとんどのものに強い両活性が認められた。フィブリノーゲンザイモグラフィーの結果、マイタケ、エノキタケ、シイタケなどにおいて、分子量60kから100kの間に複数の活性バンドが確認されたが、その分子量分布は種類によって異なっていた。各キノコ類において、傘と柄による活性の強さやその分子量分布に差は見られなかった。マイタケには特に強い血栓溶解活性が検出され、この活性は80℃においても安定であり、一般的な「茹でる」、「いためる」などの調理後にも活性を有していた。さらに、市販品として市場に出回っている凍結乾燥品「ほしマイタケ」にもかなりの活性が残存していた。一方、他のキノコ類由来の活性は、80℃では失活した。 阻害剤の影響について検討したところ、これらのキノコ類由来の血栓溶解活性は、1,10-フェナントロリンで強く阻害されたことから、活性中心に金属イオンをもつメタロ型プロテアーゼによることが示唆された。現在、マイタケ由来の血栓溶解酵素の精製をすすめている。
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