携帯型電話より発生する電磁波はヒトの心臓循環系鼓膜温、メラトニン分泌量に影響を与えることがわかった。電磁波暴露終了後4時間たち心拍数や血圧が、対照にくらべ有意に上昇した。さらに、尿中メラトニンの分泌量は携帯型電話使用により明らかに減少した。鼓膜温もまた携帯型電話の使用により、夜間の正常な漸次的下降が抑制されることがわかった。以上のように、夕刻から入床前、携帯電話を使用することは心拍数、血圧、鼓膜温、メラトニンの生理値を撹乱させることがわかった。メラトニンが夜間減少することは深部温の夜間の降下を妨げ深い睡眠を導かないことになる。メラトニンは深く免疫系の活性化に関与しているので、今後、携帯型電話による電磁波が免疫系に与える研究が必要であろう。
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