• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

N-3系脂肪酸の摂取と脂質過酸化反応パラドックス

研究課題

研究課題/領域番号 09680065
研究機関国立健康・栄養研究所

研究代表者

斎藤 衛郎  国立健康・栄養研究所, 食品科学部, 室長 (80196013)

キーワードドコサヘキサエン酸 / 過酸化脂質 / Peroxidizability Index / 組織脂質脂肪酸組成 / リン脂質 / 中性脂質 / 抗酸化剤 / ビタミンE
研究概要

実験1では、成熟ラットを用いてドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取変化に伴う組織脂質過酸化反応感受性の変化を過酸化脂質スカベンジャー成分の変動と組織脂質脂肪酸組成の変化との関連から検討するとともに、フラボノイド系抗酸化剤であるルチンの影響についても検討し、以下の結果を得た。
(1)血清と肝臓において、摂取するDHAのエネルギー%の上昇とともに過酸化脂質が増加し、スカベンジャー成分ではVEが減少した。飼料中DHAレベルの上昇は生体内過酸化脂質を増加させるとともにVEの要求量を高めることが成熟ラットでも確認された。(2)肝臓では、TBA値はP-Indexから予測されるほどには高まらなかったが、共役ジエン量とケミルミネッセンス強度は、組織総脂質の脂肪酸組成から計算される過酸化脂質生成の指標であるperoxidizability index(P-Index)の変動とほぼ一致していた。こうした変化は、幼若ラットでは見られない変化であった。(3)他の組織においては、過酸化脂質の生成は高まらず、VEの減少も比較的少なかった。従って、幼若ラットと比べると、成熟ラットでは過酸化脂質の生成を抑制するメカニズムが効果的に働いていると推測された。(4)ルチンによる影響は、血清の過酸化脂質生成に対しては抑制傾向が認められたが、組織の過酸化脂質生成に対しては有意な影響は見られなかった。
実験2では、n-3系高度不飽和脂肪酸のα-リノレン酸、EPA、DHAの組み合わせ投与による血清脂質改善作用と組織過酸化脂質生成との関連を幼若ラットで検討した結果、n-3系高度不飽和脂肪酸を摂取した場合でも、組織の過酸化脂質を著しく高めず、なおかつ、血清脂質の改善効果を充分に引き出すための組み合わせは、α-リノレン酸を豊富にしたとき(α-リノレン酸:EPA:DHA=5.5:1.0:1.0)、およびα-リノレン酸、EPA、DHAの各脂肪酸を等量ずつ混合したときが最適と推察された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Saito, M. et al.: "An assessment of appropriate vitamin E content in fish oil capsules as estimated by lipid peroxide and vitamin E levels in human blood"J. Clin. Biochem. Nutr.. 26. 35-50 (1999)

  • [文献書誌] 斎藤衛郎: "総説 良好なビタミンE栄養状態の保持のためには魚油カプセル中にどのくらいの量のビタミンEが必要か"日本栄養、食糧学会誌. 52. 401-408 (1999)

  • [文献書誌] Kubo, K., Saito, M. et al.: "Preferential incorporation of DHA into non-phosphorus lipids and phosphatidylethanolamine in antioxidant protection against dietary-DHA stimulated lipid peroxidation"J. Nutr.. (in press). (2000)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi