今年度は、情報・史料・文献の収集と整理、ならびに収集した史料の分析と文献の検討を中心に研究を進め、2本の論文と1つの資料集を執筆した。 1、『富山大学教育学部研究論集』第3号に、論文「イギリス機械技術者の教育・訓練歴の分析(1)」を執筆した。 2、『富山大学教育学部紀要』第55号に、論文「イギリス技術者の教育・訓練歴の分析(2)」を執筆した。 3、9月の後半2週間、イギリスへ海外出張し、ロンドン大学University Collegeの図書館で、19〜20世紀にかけてのカレッジ便覧(Calendar)を閲覧し、工学教育のカリキュラム、学生数、修了証書取得者数、学位取得者数などの変遷を調査した。 4、上記のUniversity Collegeに関するデータに、これまでに収集した他の個別大学等のデータを加えて、「イギリス技術者養成史研究の基礎データ」を執筆し、研究成果報告書にまとめた。 5、他に、1910年代、20年代の企業内の技術者養成システムの実態調査の史料も入手し、検討を進めている。また、技術者教育のいわば基礎教育にあたる、中等教育機関での科学教育の19世紀中葉の実態と19世紀末の急速な発展についての史料やデータについても入手したので、今後分析を行う予定である。
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