(1)画像を含む機器データベースの作成:歴史的実験機器は多様な形態をとっており、機器名だけで整理することは不可能である。そこで、本研究費で購入したデジタルカメラで実験機器の撮影を行い、その画像データを機器データベースに組み込んだ。データベースソフトAccessで、機器の購入年、購入金額等のデータとともに入力し、今後の実験機器調査の基礎資料に仕上げあげた。 (2)科学機器史書の翻訳:三高コレクション中には、19世紀後半の欧米から輸入された機器が数多く存在する。その時代の科学機器の開発は国家的重要性を帯びるが、その歴史的分析を行ったマリ・ウイリアムズの書物を翻訳し、当時の科学機器製造をめぐる欧米の状況を紹介した。 (3)三高教授・玉名程三のノート:三島実験機器を整理している中で、玉名程三の東京大学仏語物理学科時代の受講ノート31冊が発見された。これは、明治10年前後の物理教育、実験教育の状況を伝える貴重な資料であり、1年生相当の初歩物理学の講義ノートを翻刻し、大阪経済法科大学論集に発表した。 (4)実験機器カタログ:三高コレクションの調査に必要な19世紀末から20世紀初頭にかけての実験機器カタログの収集に努めた。特にイギリス、フランス、ドイツ、アメリカの機器カタログ等を、国立国会図書館、東京大学図書館等で集め、コピーした。
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