生涯剣道の入口にある若い人々の剣道継続意欲には、指導を受けている剣道指導者の剣道観や指導観などが影響を与えていると考えた。そこで学校における剣道部活動指導者と地域社会にある剣道道場の指導者を対象とし、アンケート調査により剣道指導者の剣道観を明らかにすることとした。 この調査については浅見裕が研究代表者、木原資裕が研究分担者となり、専門的知識の提供者よりアンケート調査実施上の留意点とデータ解析方法および先行研究結果の情報を得ながら、今年度は本調査の用紙を完成させるところまで進めた。具体的には、6月には先行研究の情報を受け、予備調査の具体案を検討し、7月には剣道指導者への聞き取り調査を実施し、指導の実態や問題点、教え子の様子についての声を収集した。8月には先行研究論文の吟味を行い。調査対象者を抽出するため剣道指導者の住所録を入手した。9月には聞き取り調査のデータの分析と対象者の範囲を検討し、10月には予備調査の質問項目候補を決定し、11月にフェイスシート9項目、5段階選択回答69項目からなる予備調査用紙を完成し、調査対象者を決定した。12月末までに予備調査を郵送方式により実施・回収し、188名の指導者より回答を集めた。2月に本調査の対象者の住所録を作成し、予備調査のデータをもとに質問項目の妥当性の検討を行い、現在は本調査項目の決定まで研究を進めた。 今後、郵送方式による調査用紙の配布を来年度4月早々に行い、5月末までに回収し、データの入出力と結果の検討を7月末までに済ませ、9月の日本武道学会において研究成果の発表を行い、報告書印刷を12月末までに果たす予定である。
|