研究概要 |
平成9年度に完成させた剣道指導者の意識を把握するためのアンケート調査用紙を、平成10年度になってから全日本剣道道場連盟に加盟している道場の剣道指導者および全国学校剣道連盟の会員の学校剣道指導者に往復郵便方式によって、配布・回収した。回収数は2,715名となり、46.4%の回収率であった。 研究協力者との論議を踏まえ、研究代表者の浅見と研究分担者の木原、それに研究協力者である岡嶋恒氏の3名が平成10年9月に日本武道学会において、「剣道指導者の剣道に関する意識について(1)-剣道の価値観を中心に-,(2)-道場指導者の意識構造について-,(3)-学校指導者の意識構造について-」の3題について口頭発表を行った。 その後、発表内容の再吟味と検討を重ね、現在は学会誌「武道学研究」への投稿論文を執筆中である。 報告書には、指導者の剣道に関する意識と価値観について、「報告1.剣道指導者の剣道に関する意識-学校指導者と道場指導者の比較-」「報告2.剣道指導者の剣道に対する価値観-学校指導者と道場指導者の比較-」の2部に分けて道場指導者と学校指導者との意識の相違について検討した結果を中心に報告した。 指導者の剣道に関する意識では、因子分析により12因子を抽出し、「鍛錬的指導因子」と「学校での優遇期待因子」および「性差配慮因子」の3つの因子で指導の場の違いにより意識の相違が見られた。価値観については、因子分析により4因子を抽出し、「健康増進因子」に指導の場の違いによる意識の相違が見られたことを論述した。
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