4週齢のウイスター系ラットを購入し、トレッドミルを用いて走行トレーニングを約9週間行わせた。ラットは最終トレーニング終了1日おいて実験に用いた。これは最終トレーニングによる一過性の影響をさけ、長期的な影響を見るためである。肺、腎臓、副腎を摘出し、肺は一部、腎臓、副腎は1個を-80度冷凍保存した。残りをホモジナイズし、粗細胞膜に調整した。緩衝液に懸濁し、10^<-6>Mのアンジオテンシイ2、エンドセリン、バソプレシンで30秒間刺激した。その後遠心分離し上清を冷凍保存した。検体が全て集まった時点で、これらのペプチドのセカンドメッセンジャーであるIP_3の濃度を一括してアッセイキットにより測定した。その結果測定可能限界以下の濃度であることが分かった。先行研究では粗細胞膜での実験も報告されていたが、多くの場合、細胞に単離したサンプルを用いていた。このため、単離細胞を用いて再実験する計画である。その際、単離細胞を調整するのに適する臓器に研究対象を絞って実験を進める予定である。 運動によるアンジオテンシン2、エンドセリン、バソプレシン受容体に対する影響については冷凍保存した臓器を用いて実験を行っている。実験方法は、臓器をホモジナイズし、タンパク定量後、一定タンパク量のサンプルを、受容体のサブタイプに特異的に結合するリガンドと^<125>Iでラベルしたペプチドを競合的に結合させる方法である。結合したペプチドはγカウンターにより検出する。
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