(1)目的:小学校体育教材それぞれの運動強度・負荷量を測定し、気管支喘息児の学校体育への参加の可否・判定のリファレンスマニュアルを作成することである。 (2)方法:被検児は岐阜県内A小学校及び附属小学校児童生徒、各学年男子5名、女子5名、合計120名である。正課体育時の心拍数および自転車エルゴメーターを用いた漸増運動負荷によるall-out時の心拍数、酸素摂取量、呼吸数を同一被験者について測定した。 (3)測定運動種目:障害走、ドッジボール、跳び箱、駅伝、ハンドベース、縄跳び、鬼ごっこ、サ-キット、持久走等である。 (4)結果:体育時心拍数の平均値の例をあげる。2年生鬼ごっこ男子173.6±12.86拍/分、女子169.9±11.99拍/分、all-outに対する割合は、それぞれ94.97%と94.39%であった。4年生では、跳び箱男子128.1±7.00拍/分、女子143.5±7.14拍/分、all-outに対する割合は、70.54%と75.69%であった。5年生サッカー男子158.4±2.94拍/分、女子156.6±14.31拍/分、all-outに対する割合は、それぞれ90.51%と84.19%であった。 (5)まとめ:今年度は、学校での正課体育時の心拍数を測定する事を中心に実施した。 これらの結果、運動種目間に運動強度の差が認められた。例えば、5年生の持久走(男子)では、駅伝、サッカー縄跳びに対して有意に高い値を示していた(P<0.01)。 次年度には、気管支喘息児の運動誘発性発作とそれぞれの運動種目の強度・負荷量との関係について検討を進め、学校体育時に有効なマニュアルを作成したい。
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