研究課題/領域番号 |
09680102
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
生田 香明 大阪大学, 健康体育部, 教授 (70012507)
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研究分担者 |
宮本 忠吉 大阪大学, 健康体育部, 助手 (40294136)
坂東 隆男 大阪大学, 健康体育部, 講師 (30189732)
木下 博 大阪大学, 健康体育部, 助教授 (60161535)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 幼児 / 身体活動 / 足指 / 直立二足姿勢 / 足圧中心位置 / 身体的能力 |
研究概要 |
我々のこれまでの研究において、5歳児に極めて高い割合で足指接地不良児(第5指か第2指及び両指)がいることがわかった。本研究では3歳で入園し、6歳で卒園した53名(男17名、女36名)を対象に、足指接地不良児の割合がどのように推移するかを調べると共に、彼らの身体能力及び彼らが増加している要因を調べることを目的とした。 彼らは4.4、5.4、6.4歳時に透明にガラス板で作成されたフォースプレイト上にロンベルグによる直立二足姿勢で30秒間立ち、足裏の映像がビデオ撮影された。1)そのビデオから、足指の接地不良児が何%いるかが調べられた。それと同時に、2)彼らの足圧中心位置(踵を基準に爪先までの割合で、10秒間の平均値)が測定され、足指接地不良児と接地児の間に有意な差異があるかが調べられた。3)彼らの身体能力(20m走、立幅跳、 ボール投)に差異があるかについても調べられた。更に、4)足指接地不良児25名を対象に、その中の12名がトレーニング群として週3日、12週間、足指をよく使う運動プログラムのトレーニングを実施した。残りの13名は非トレーニング群とした。そして、トレーニング期間の後に両群の足指接地不良児の割合が調べられた。 得られた結果は、次の通りであった。1)4.4歳時に足指接地不良児は、64.2%を示し、極めて高い値であった。5.4歳時には54.7%となり、約10%減少した。しかし、6.4歳時には58.5%となり、約4%増加し、その不安定さが確認された。2)足圧中心位置は、足指接地不良児と接地児の間に有意な差異は認められなかった。3)身体能力(20m走、立幅跳、ボール投)にも両群に有意な差異は認められなかった。4)足指接地不良児のトレーニング群は、非トレーニング群と比較して、その割合が有意に減少しなかった。 以下の結果から、足指接地不良児は4.4歳から6.4歳までの連続的に減少する傾向が見られず、身体能力に劣ることもないので、その増加の要因には、現在の幼児の大半が足指を使う身体活動が激減していることが示唆された。
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