1. スポーツ愛好者の“震災復興" (1) 被災地におけるスポーツ再開時期:神戸、阪神間、明石のスポーツの継続的実施者281人に対する調査によると、総じて再開率が80%を超えたのは震災6ケ月後の1995年8月である。再開時期は、グラウンド、コートでやる野球、サッカー、テニス等で遅くなる傾向があった。 (2) 実施ペースの回復状況:震災は施設の損壊以外に、どの種目においてもチーム・仲間の分散をもたらした。そのために震災後3年経っても、震災前の頻度でスポーツができている愛好者は、調査した地域スポーツ参加者824人中の65%であった。 2. 震災後の学校の体育と運動部 1998年11、12月に被災地の公立中学校・保健体育教師590人に対して、そのことに関する質問紙調査を実施した。判明した主な事柄は、次のごとくである。 (1) 体育の場所:35.9%の教師が、使用可能な自校のスペース、施設でしのいだ。近隣公共施設、公園、河川敷、海岸等および他校施設を利用した教師は、5〜10%であった。 (2) 体育の内容:約1/4の教師が、ボール系のミニ・ゲームを多用した。次に体操、ランニング等の体力づくり運動が多い。通常あまりやらないレクリエーション・ゲーム、鬼遊び等も導入されている。 (3) 運動部の場所の工夫と被害:体育の授業と異なり、他校との交流が多い特徴がある。1998年12月(震災後3年10ケ月)まで、練習場所の縮小、関連施設の復旧不十分が固定されている学校がごく一部にある。
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