スポーツ史研究は、いうまでもなく、基本的には多量な文献学的な研究成果に立脚するものであり、その種々の研究成果は、年次的な時間系列の変化に基づいて、年表的な事実関連の中に集約可能である。こうした年表的な事実関連に基づいて、スポーツ史に関する情報を収集するために、コンピュータを導入することによって、多量のデータを迅速に検索できる、一連の検索システムが必要であると考えた。それ故に、いわゆる「原典対応 近代日本スポーツ史検索年表」(仮称、1700年から1999年))の作成を具体的な課題とした。 この検索システムの作成に当たっては、何よりも「汎用性」や「簡便性」を、その条件に考えた。そして種々のデータベース・ソフトを検討した後、「エディタ・ソフト」の活用に、一定の方向性を見いだした。そして結果的に、代表的なソフトである「Mifes for Windows Ver.5.0」(メガソフト社)の「タグ・ジャンプ」(ファイル間ジャンプ)の機能を用いて、以下のようなCD=ROM版を作成することが出来た。 データは、すべてテキスト・ファイルによって構成されており、全体で3.2メガ程度のボリュームになった。すなわち、「親ファイル」(主要ファイル)としての「年表ファイル」と、いわゆる「参照・子ファイル」としての「新聞記事参照ファイル」(全部で7ファイルから成る、全部で約1.8メガバイトに相当)と「文献参照ファイル」(全部で6ファイルから成る、全部で約0.6メガバイトに相当)から構成される。 さらにこのシステムの特徴は、今後も増補がほぼ無制限に可能であり、また容易である点にある。こうした点では、これまでの作業を集大成していく事が今後の課題ともなった。 なお正式な年表形式のデータベース名を、「近代日本"身体=運動"文化史検索年表」とした。
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