研究概要 |
学校区の地域的持性の違いは,ライフスタイルの地域差を生み出しているとの仮定のもとに離島部と都市部の中学2年生を対象に,活動性に重点をおいたライフスタイルの調査と形態,体力・運動能力,VO_2maxおよび体育実技能の測定を行った。その地域性と男女の比較および要因間の関連性を明らかにすることにより,ライフスタイルの違いが子どものからだに与える影響を検討した。結果の概要は以下の通りである。 1. 活動性得点は,男女とも都市部の生徒が高かったが,実質的な運動やスポーツへの参加状況は,離島部の生徒が高いことも示された。テレビ視聴時間とファミコン使用時間の合計時間は,約4時間であり,対象者間の差はなかった。通学時間は,離島部の生徒に個人差が大きく,その影響の検討も必要である。 2. 体力面では,地域差はほとんど認められないが,両対象地区の生徒の男女とも柔軟性が低い点が明らかであった。 3. 運動能力面では,男女とも持久走と走り幅跳びが,離島部の生徒で優れており,全身の持久力や全身のパワーの発現能力が高いことが明らかになった。 4. 活動性得点と運動能力,行動体力およびVO_2maxとの間には有意な関連性があり,活動的なライフスタイルは,からだづくりや健康に影響を与えると示唆された。 5. 体育実技能と活動性得点および行動体力の間には有意な関連性があり,体育実技能は積極的な活動を行うための動機を与えるものと示唆された。
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