研究概要 |
1、研究(1)では糖尿病ラットの遅筋(SOL)と速筋(EDL)のNa-Kポンプに及ぼすトレーニングの効果を調べ、研究(2)では低カリウム血症ラットのSOLとEDLにおける誘発筋電位の周波数応答について調べた。 2、研究(1):ストレプトゾトシン投与により糖尿病ラットを作成し、傾斜角3度で12m/分のトレッドミル走を、1日30分、週3回、6週間トレーニングを行なった。糖尿病ラットと糖尿病トレーニングラットの坐骨神経を25Hzで20分間行ない、刺激終了直後、10分後及び20分後の細胞内Na^+,K^+濃度を測定し、Na-Kポンプ活性について比較した。 3、SOLとEDLにおいて刺激終了直後の細胞内Na^+の蓄積とK^+の減少の程度および回復の程度は、糖尿病ラットと糖尿病トレーニングラットで有意な差はなく、正常ラットで認められた様なトレーニング効果は得られなかった。 4、研究(2):ラットをK^+欠乏食で飼育し、低カリウム血症ラットを作成した。正常ラットと低カリウム血症ラットの坐骨神経を0.5から200Hzで刺激し、SOLとEDLの誘発筋電位を記録し、周波数応答について調べた。 5、正常ラットのSOLとEDLの周波数応答の変位点(刺激に反応できなくて活動電位の減衰が起きる周波数)はそれぞれ15Hzおよび85Hzであった。低カリウム血症ラットのそれはそれぞれ5Hzおよび15Hzに減少し、周波数応答が、神経ー筋の病態評価の指標となる可能性を示唆した。
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